“B”ORDERLESS 【初回限定盤】/氷室京介
¥3,000
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今日が氷室京介の50歳の誕生日だ。
日付が変わると同時に武道館大晦日カウントダウンを含む
4追加公演が発表され、これでたしかツアー50公演となるはずだ。
それぞれのライブは2時間程度と、前回の20周年アリーナツアーと
比べてライブ1本あたりの時間数が減ったが仕方ないだろう。
いくら50歳に見えない"A"GELESSな氷室でも、全公演3時間ぐらい
やってたら死んでしまう。

彼より年上の山下達郎は3時間近いライブを連日行っているが、
氷室と違うのはインストやMCが多いということ。
ゴリゴリのロックで弾けるようなライブをこの年になってもやっている
大人気ない氷室をみんな好きなのだ。

まぁこのアルバムについても、慣れるまで時間がかかった。
初めの印象は、うるせぇな。バラード途中で入れんかい。なんで似たような
アップテンポの曲を連発して後半にミディアムテンポを固めるんだ。
聴きづらいなぁ、と失笑に近いものだった。

が、だんだん聴いてると氷室の狙いがわかってきた。
彼自身がラジオでも語っていたとおり、群馬"B"OYだった氷室の
先天的な音楽的素地とアメリカに来て10余年たつ今の氷室の
後天的な音楽的発展というか、成長というか、変化そのもの。
それの"B"ORDERを超えるためにあえてこの曲順だったのだ。

「やりすぎだろ」と聴くものを閉口させるぐらいのチカラ技を
この天命を知らない50歳の"A"GELESS野郎がやってのけること。
この曲順も50本ものツアーも普通のやつにはまるで自殺行為だろ、
すなわちROCK’N'ROLL SUICIDE MISSION。

氷室がまだまだ天命なんてわかんねぇ、まだまだそんな孔子サマの
カテゴライズなんかにはおさまんねぇぞ、という宣言がこのアルバムであるし
ツアーであるしドキュメンタリーへの出演なのだ。

明日にはまたNEWS ZEROの密着第2弾の放送がある。
そこで恐らくこの"A"GELESSロックおじさんは吠えるんだろう。
いつもその背中が無言で吠えているように。

アルバムそのものに話しを移すと、結局氷室はパンクから出てきて
いろいろな音楽的実験を重ねたりテクニックを身につけたり
ミディアムテンポやバラードの珠玉の名作を作ったり
緑色の炭酸飲料をラッパ飲みしてみたりしたけど
結局やってるこたぁパンクにまたもどってるじゃねぇか(笑)
って感じかと。
この(笑)も何というか、ニヤリでもないし微笑ましいでもないし
まだ、またやってるな、このヤロッ!っていうくすぐる感じの(笑)なんだなぁ。


そうそう、アルバムを手にして思ったのだが付録のステッカーは使えないね。
どこ貼っても浮いてしまうだろう。もったいないし。
あ、そうか。これもロックおじさんの悪戯なのか。
"U"SELESSってね!(笑)

この(笑)はどっちかというと(苦笑)または(失笑)に近い
オヤジギャグがスベった時の感じですなぁ。

とにかく、天命なんて知らなくてもいいからあんたは死ぬまで
そのままでいてくださいってこった!
それがあんたのROCK'N'ROLL SUICIDE MISSIONですがな。

Happy Birthday オサーン